永遠の記憶/東野圭吾【感想・レビュー】ネタバレなし
東野圭吾 著 / 文藝春秋・ガリレオシリーズ
『永遠の記憶』はガリレオシリーズの最新作、そして東野圭吾先生の遺作となっております。
この作品に関してはあらすじすら最小限にしております。できる限りまっさらな状態で読んでほしいと思ったのであえて詳しく書きませんでした。読み終えたあと本を閉じて、心地よい読後感に浸ってほしい、と願っております。
東野圭吾先生の代表作であり直木賞受賞作です。『容疑者Xの献身』を先に読むのをお勧めします。より深くこの『永遠の記憶』を味わうことができるのではないかな、と僕の個人的な意見ではありますが、そう思いましたよ!
ネタバレなしでご紹介しますので最後まで読んでいただけたら嬉しいです!
📖『永遠の記憶』の基本情報・あらすじ
【あらすじ】
ある事件が起きてこの物語は動きだします。湯川と草薙がこの一件をきっかけに、ずっと昔に置き去りにされていた謎へと近づいていきます。
読み進めると過去に起きた、とある事件の後日談といっていい展開となっております。
🔬 湯川の論理の鮮やかさ
読みながら唸ったのは湯川が状況を一つずつ確かめていき、導き出された論理の鮮やかさでした。
状況を聞いて実際に現場を見て何がどこにあるかを確認するんですよね。
そしてある人物の証言から、湯川が仮説をたてるとまったく別の絵が立ち上がるんです。
派手な仕掛けはありません。だからこそ、線が通ったときの気持ち良さが際立つんだと思ったんですよね。この論理の呼吸は、ぜひ本を開いてご自分の目で味わってほしいです!
🕯️ 読了後に感じたあたたかさ
けれども、この本がほんとに凄いのは謎解きのその先にある読後感だと思うんです。
読み終えたときに胸に残るのは驚きよりも、あたたかさなんですよね。
東野圭吾先生はやさしい人だったんだなぁ、と思いました。今更ですかね?
でも人の弱さや後ろめたさに寄り添い、そっと包むようにその苦悩と葛藤を描いているように感じます。そして文章がとても読みやすいんです。それなのにこういう読後感を読者に抱かせるのは、本当に凄いなぁと思いました。
この作品が刊行される前に東野圭吾先生は亡くなりました。作中で湯川が、もう役目を終えてもいいのではないか、という趣旨のことを口にする場面があります。
このセリフを読んだらなんだか切なくなりました。
ガリレオ、最後の謎、というキャッチコピーが、勇ましくも寂しい響きをもって聞こえてきたんですよね。
暴くべきか心の中に留めておくべきか。真相を暴くことだけが正しさではないのかなぁ、と。この作品の根底にはそういう問いがあるような気がします。湯川と草薙がした粋な計らいに静かに胸を打たれました。
ガリレオシリーズを追ってきた人にはとても感慨深い一冊になるのではないかな?と思います。そして、まだガリレオを読んだことのない人も、ぜひ手に取って読んでほしいです。この読後感はやっぱりご自分でページをめくった人だけが受け取れるものだ、と思うからです。
🙋『永遠の記憶』はこんな人におすすめ
📝『永遠の記憶』の感想まとめ
というわけで今日は東野圭吾先生の『永遠の記憶』をご紹介させていただきました。
鮮やかな論理も驚きの仕掛けも、東野圭吾先生の凄さのひとつです。でもいちばん胸に残るのは、そのすべてを通り抜けた先にあるやさしさでした。
気になった方はぜひチェックしてみてくださいね!
ではでは積読を消化した頃に、またゆるりとお会いできたら幸いです!

