理由/宮部みゆき【感想・レビュー】ネタバレなし
宮部みゆき 著 / 1998年出版・直木賞受賞・映画化作品
どうしようもない人間を見たとき、あなたはどう思いますか?
同情する? それとも見放す?
今日ご紹介するのは宮部みゆき先生の「理由」です。
ネタバレなしでご紹介しますので最後まで見ていただけたら嬉しいです!
📖 基本情報
まず基本情報からです。
「理由」は1998年に出版された作品で、直木賞を受賞し映画化もされた傑作ミステリーとなっております。
宮部みゆき先生といえば「火車」「模倣犯」など社会派ミステリーの第一人者として知られていますよね。
【あらすじ】
ある高層マンションで4つの遺体が発見されます。
しかし、そこに住んでいるはずの家族は別の場所で生きていました。
だとしたら発見された遺体は誰だったのか?
何故そこにいたのか?
複数の視点から事件の「理由」を追うドキュメンタリー風のミステリーです。
🤝 同情と見放すことの間で揺れる言葉
まず一番印象に残ったのが、どうしようもない人間に対して同情すべきか、それとも見放すべきなのか、という問いを突きつけてくるシーンなんですよね。
同情してはいけない、でも見放すこともできない。そんな人間の複雑な感情がリアルに描かれていて……登場人物たちの苦しみに胸が締め付けられました。
この作品は事件の「理由」を追いながら、登場人物それぞれの人間としての弱さや葛藤を丁寧に描いているんですよね。
宮部みゆき先生って本当に人間の描き方が上手いなぁと、ため息がでてしまいました。
👻 煙が下へ向かうシーン
次に一番驚いたのが、煙が下へ下へと向かって見えた、というシーンなんですよね。
ミステリーとして読んでいたのに突然ホラーの要素が入ってきて、背筋がゾワっとするといいますか。
詳しくはネタバレになるので言えないんですけど、このシーンは執着というか、見方を変えれば怨念というべきなのか。
そんなことを考えてしまったシーンでした。
宮部みゆき先生はミステリーだけでなくホラーも書かれる作家さん、と聞いているんですけど、その要素がこの作品にも入っているのかなーと思いました。
🧩 犯人の思考回路が理解できないけれど……
読み終わった後の感想は、犯人の思考回路は理解できない、というものでした。
この作品に登場する犯人の価値観や思考回路は、僕の感覚では到底理解できないものだったんですよね。
でも読み終わってふと思ったんです。
その思考回路が理解できないということは、自分がそういう境遇や考え方とは無縁の場所にいるということなのかもしれない。
だとしたら理解できないことはむしろ幸せなことなのではないか、と思ったとき、この作品の深さを改めて感じてしまったんですよね。
🙋 こんな人におすすめ・まとめ
こんな人には特におすすめですよ。
登場人物が多く少し読み応えがある作品ですが、それだけ深い人間ドラマが楽しめると思いますよ!
📝 まとめ
というわけで今日は宮部みゆき先生の「理由」をご紹介させていただきました。
気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
ではでは積読を消化した頃に、またゆるりとお会いできたら幸いです!
