ゆるりと積読消化部
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📅·📚 ミステリー

屍人荘の殺人/今村昌弘【感想・レビュー】ネタバレなし

今村昌弘 著 / 2017年出版・鮎川哲也賞受賞

ミステリーとホラーを混ぜたら、どっちも台無しになるのではないか?

例えば論理で解決できればミステリー、超常の力が働いた結果であればホラーという感じでしょうか。

またミステリーとホラーを混ぜたらそれはもうホラーだと思うけどそうでもないの? といったことを考えたことはありませんか?

今日ご紹介するのは今村昌弘先生の「屍人荘の殺人」。

鮎川哲也賞を受賞した作品でこれがデビュー作です。

ミステリーに予想外の特殊設定が加わることでクローズドサークルが生まれる、という新奇性のある作品となっております!

ネタバレなしでご紹介しますので最後まで見ていただけたら嬉しいです!

📖 基本情報

「屍人荘の殺人」は今村昌弘先生のデビュー作で、2017年に出版されました。

このミステリーがすごい!2018年版、週刊文春ミステリーベスト10、2018本格ミステリ・ベスト10において1位・第18回本格ミステリ大賞も受賞・映画化と、デビュー作とは思えない大ヒット作品となっております。

【あらすじ】

主人公と明智しかメンバーがいないミステリー愛好会。ある合宿に参加したいと手を尽くしますが断られてしまって途方に暮れていました。

そこへお嬢様が現れ主人公たちに取引を持ちかけてきます。渡りに船とその取引に同意した主人公たちは、合宿先のペンションに行くことができました。そして事件に巻き込まれることになります。

特殊設定が発生し、ペンションは外部と完全に遮断されたクローズドサークルになってしまいます。

みんなで助け合わなくてはならない、という状況にも関わらず密室殺人が起きてしまう。そんな前代未聞のミステリーとなっております!

🔦 特殊設定で行方不明になっていた明智との再会

まず一番印象に残ったのが、特殊設定のせいで行方不明になっていた明智と再会するシーンなんです。

このシーン。ネタバレになるから詳しくは言えないんですけど、主人公はどうするんだろう? と読みすすめている時もずっと引っかかっていました。

不毛だと思っていても、明智と過ごす大学生活の居心地は良かった。それなのに……という切なさと悲しみが同時に来る場面です。

このシーンだけでも読んでほしいと僕は思いました。

💔 進藤のシーンの切なさ

次に一番驚いて、そして切なかったのが進藤に関するシーンなんですよね。

内容は話せないので読んでみて! としか言えないんですけど、大切な人を守ろうとした行動と、その果てにたどり着くやり切れない思い。

屍人荘の殺人に出てくる特殊設定って基本的に「どうやって生き残るか」という展開が多いと思うんですよね。

でもこのシーンは「大切な人のために自分は何ができるか」という問いがあるように思いました。その答えを見て切ないなぁ、と思ってしまったのもまた事実です。

進藤に対する主人公の心の声を読み終えたあと、ちょっと考え込んでしまいました。

🔍 特殊設定と密室殺人という前代未聞の構成

読んでいる最中、次のような疑問が思い浮かびました。

①なぜ異常事態が発生しているのに殺人事件を起こしたのか?

②「屍人荘の殺人」という作品は、現実世界という理のなかミステリーとして成立するのか?

③犯人はパニックが起きている最中にどうやって密室殺人を成し遂げたのか?

読み終わった感想は「特殊設定を発生させて矛盾なく密室殺人を成立させたのがすごい!」でした。

この特殊設定が発生した時点で、「これはホラーだ」と思うのが普通の読者の反応でしょう。

つまり人間の理解の範疇は超えていってしまった状態なんだな、と考えて読みすすめる方がほとんどかなと思うのです。

そうなるとミステリーとしての論理性なんてあってもなかったものにされちゃいそうじゃないですか。

でもその特殊設定を逆手にとって、通常のミステリーでは絶対に作れないクローズドサークルを作り、その中で密室殺人を発生させた。それなのに全てが論理的に解決されるミステリーとして成立しているんですよ。ここが『屍人荘の殺人』という作品の凄いところだと思うんです。

これがデビュー作っていうんですから驚きませんか?

🙋 こんな人におすすめ・まとめ

こんな人には特におすすめです。

本格ミステリーが好きな人
ホラー×ミステリーの組み合わせに興味がある人
密室殺人やクローズドサークルものが好きな人

特殊設定上どうしてもグロい描写が出てきます。

ですが苦手な方への配慮でしょうか。

そういった描写は比較的少なめで読みやすい作りになっていると思いましたよ。

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📝 まとめ

というわけで今日は今村昌弘先生の「屍人荘の殺人」を紹介しました。

ではでは積読を消化した頃に、またゆるりとお会いできたら幸いです!